「アトピー性皮膚炎」――岸谷五朗さんと専門医が語る最新の治療と課題

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日本イーライリリー株式会社は、アトピー性皮膚炎を患っている中等症以上の患者1,015名を対象に、現在の治療状況や治療に対する考え、認知、日常生活・社会生活への影響について意識調査を実施。

その調査結果をもとに、「アトピー性皮膚炎に関する最新事情」のメディアセミナーが開催されました。
会では、疾患に悩まされた経験を持つ俳優の岸谷五朗さんが登壇。さらに、専門医として最前線で活躍されている近畿大学 医学部 皮膚科学教室 主任教授 大塚篤司先生が、アトピー性皮膚炎の治療の現状について解説しました。

アトピー性皮膚炎の実態と新たな治療の可能性

岸谷五朗
出典:beautyまとめ

アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う湿疹が慢性的に繰り返される皮膚疾患です。患者の皮膚には、かゆみ・皮膚バリア機能異常・免疫異常の3つの要素が複雑に絡み合っているという特徴があります。

中等症以上の患者1,015名を対象に行った調査結果では、仕事や学業に支障をきたしたことがある方が過半数を越え、かゆみで睡眠や家事にも影響が出ていることがわかりました。また、お化粧ができない…恋愛に消極的になったりと、アトピー性皮膚炎がもたらす悩みは筆者が想像する以上のものでした。

そして、中等〜重症の患者では症状のコントロールが難しく、薬の副作用によって使用できる治療薬が限られているケースもあったとのこと。また、塗り薬が十分に塗布できていないといった課題も存在していました。


岸谷五朗
出典:beautyまとめ

しかし、2018年には10年ぶりの新薬が登場。以降、新たな治療選択肢が続々と増えており、今では治療の幅が大きく広がっています。

大塚先生は「(劇的に良くなる薬もあるが)新たな治療法を知らないから、たどり着けない」という問題点を指摘。そして、「まずは、知ることが大切。治療が変わったという事実を多くの方に知ってもらいたい」と語り、諦めずに治療に向き合ってほしいと呼びかけました。


岸谷五朗さんが語る“アトピーと生きる日常”

岸谷五朗
出典:beautyまとめ

ほぼ60年間、アトピーと付き合っている」という岸谷五朗さん。
ご自身の体験をもとに、「アトピー性皮膚炎で一番つらいのは、集中力が欠けてしまうこと」だと語ります。
特に症状が重かった20代には、演劇の仕事にも支障が出ていたそうです。


また、10代の頃には無意識にかきむしってしまうため、ベッドに手を縛って寝ていたという壮絶なエピソードも紹介。
我慢や妥協するようにと軽視されがちな“かゆみ”ですが、患者の生活に多大な影響を及ぼす、非常に深刻な症状であるとわかります。


最後に岸谷さんは、今回のテーマでもある「アトピーを諦めない」というフレーズに共感しつつ、「皆で励まし合いながら頑張っていきたい」と、力強いエールを送りました。
アトピー性皮膚炎は、単なる「かゆみ」では片づけられない、日常生活や心にも大きな影響を及ぼす疾患です。

今回のメディアセミナーでは、専門医の見解や岸谷さんのリアルな声を通して、新たな治療法の選択肢が広がっていること、そして「知ること」が治療への第一歩であることが改めて示されました。

「アトピーを諦めない」――その思いが、これから治療に向き合うすべての方の希望になるはずです。


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