【解説】紅茶は食後はもう古い!?エビデンスで読み解く新習慣「ティーファースト」

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一般社団法人ウェルネス総合研究所 紅茶ポリフェノールラボが主催するセミナー「ウェルネスの最前線 エビデンスから紐解く紅茶ポリフェノールの新たな可能性〜抗老化・抗疲労とティーファースト習慣〜」が開催され、医学博士の山岸昌一先生※¹と、医師の渡辺恭良先生※²が登壇。「紅茶ポリフェノール」という成分に秘められた健康・美容パワーと、食事の前や最中に紅茶を飲む新習慣「ティーファースト」について、詳しく紹介します。

紅茶の渋み・色味のもと「紅茶ポリフェノール」って何者?

スプーンにのった紅茶の茶葉
出典:beautyまとめ

紅茶ならではの赤い色味や、あの独特の渋みを生み出しているのが「紅茶ポリフェノール」。代表的な成分は「テアフラビン」と「テアルビジン」で、どちらも紅茶の発酵過程で茶葉のカテキンが変化して生まれます。分子が大きいため血液中には入りにくく、腸管や消化酵素の表面で作用するのが特徴。この性質のおかげで、脂質の吸収抑制や腸内細菌叢への働きかけなど、体のさまざまな場所で嬉しい作用をもたらすと考えられています。

紅茶にはこのほかにも、リラックス作用が期待されるアミノ酸「テアニン」、集中力アップに関わる「カフェイン」(含有量はコーヒーの約半分)、血圧調整に働く「カリウム」、骨の形成や抗酸化酵素の働きを助ける「マンガン」、疲労回復に関わる「ビタミンB群」など、体に嬉しい成分が盛りだくさんです。

具体的にどんな効果が期待できる?

紅茶ポリフェノールの健康・美容効果については、ここ数年で研究が進んでいます。

脂質の吸収を抑える:紅茶ポリフェノールと一緒に食事を摂ると、食べ物に含まれる脂肪の消化吸収が抑えられ、体外に排出されやすくなることがわかってきています。

抗肥満・血糖値やコレステロール値の改善:紅茶ポリフェノールには、食欲を抑えたりエネルギー代謝を助けたり、腸内細菌叢を整えたりする働きがあり、体重管理やコレステロール値、血糖値の改善にもつながる可能性が期待されています。

腸内環境を整えて便秘対策に:紅茶ポリフェノールは小腸でほとんど吸収されず大腸まで届くため、腸内の良い菌を増やして腸内環境を整え、便秘の改善につながることが確認されています。
また、およそ50万人を対象にしたイギリスの大規模な健康調査では、1日2杯以上の紅茶を毎日飲む人は、飲まない人に比べて10年後の死亡率が9〜13%低いという結果も報告されています。砂糖やミルクを加えても結果はほぼ変わらなかったそうで、その理由はまだ完全には解明されていないものの、紅茶ポリフェノールの関与が考えられています。

紅茶ポリフェノールは、食後の血糖値スパイク対策として期待

グラスカップに注がれた紅茶とティーポット
出典:beautyまとめ

私たちが食べたお米やパンなどの糖質(デンプン)は、まず唾液や膵液に含まれる「α-アミラーゼ」という酵素で短い鎖状に分解され、続いて小腸表面の「α-グルコシダーゼ」という酵素によってブドウ糖などの単糖類にまで分解されることで、ようやく体に吸収されます。

「血糖値スパイク」とは、食後に血糖値が急激に上昇し、そのあと急降下する現象のこと。健康診断の数値だけでは見えにくいのですが、食後の血糖値の上昇が大きい人ほど、心臓病のリスクが高まったり、総死亡率が上がったりすることが知られています。血糖値スパイクを抑えることは、血管や膵臓の健康を守ることにもつながると考えられています。

セミナーに登壇した山岸昌一先生は、「紅茶ポリフェノールには、食後の血糖値スパイク対策として期待される」と話し、ティーファーストと血糖値スパイクの関係について解説。紅茶ポリフェノールには、糖質の分解に関わる酵素(α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ)の働きを穏やかにする作用が報告されており、ティーファーストであらかじめ紅茶ポリフェノールを摂っておくことで、糖質の分解・吸収がゆっくりになり、食後の血糖値の急上昇を抑えることが期待されています。

「ベジファースト」(野菜から食べる)は知っている人も多いと思いますが、今回紹介されていたのは、その紅茶版ともいえる「ティーファースト」。食事の最初、あるいは食事中に紅茶を飲む習慣のことです。

特別な準備は必要なく、いつも食後に飲んでいた紅茶を、食事の最初や食事中に飲むように変えるだけで、血糖値スパイク対策につながることが期待できます。

まずは、いつもの紅茶のタイミングを変えるだけ

ティーファーストのために、特別な準備は必要ありません。いつも食後に飲んでいた紅茶を、食事の最初や食事中に飲むように変えるだけ。ホットでもアイスでも、紅茶ポリフェノールの働きは変わらないとされているので、季節を問わず取り入れやすいのも嬉しいポイントです。次の食事から、ちょっとした「ティーファースト」、試してみませんか。
※¹ 医師/昭和医科大学医学部内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科学部門 教授
※² 医師/神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 特命教授
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