――ルーツ的な音楽に取り組むのが今だったのは、自分の中で盛り上がるものがあったのですか?
鞘師 曲を作るときはずっと、ライブで自分のイメージ通りに踊れることが必要だと考えてきました。今の自分なら、こういう曲で踊れると思ったんです。
――スキルが高まったから?
鞘師 スキル的なこともありますけど、心の持ちようですね。チャレンジできる自信、自分への信頼が湧いてきたんです。
音楽活動を始めた1年前だったら、これをやるのは合わなかったでしょうね。今はこういうテイストの楽曲で、本来の自分に辿り着くような感覚があります。
少し前までは、本当の自分のちょっと後ろに実物の自分がいて、距離がある感じがしていて。それがこの1年、音楽活動をしてきた結果、ピントが合ってきた気がするんです。
――「過去の自分の手を取り自由を求めて歩き出す」というコンセプトも最初からあったわけですか?
鞘師 そうですね。以前は今に集中しないといけないから、過去を見ないようにしていたところもありましたけど、自分を信頼できたら余裕が出てきて、過去を振り返られるようになりました。
置いてけぼりにしてきた昔の自分を「もう大丈夫だよ」と連れてきて、一緒に未来に進んでいく。それが今回のEPのテーマになりました。
――過去の自分があって、今の自分がいると。
鞘師 それをちゃんと伝えられるようになったと思います。
https://news.yahoo.co.jp/byline/saitotakashi/20221112-00323323
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