【薬剤師監修】生理前のめまいはPMS症状かも…!日常でできる対策

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PMSにはさまざまな症状がありますが、めまいもそのうちのひとつ。

めまいのせいで仕事や日常生活に支障がでてしまっては困りますよね。

今回は生理前のめまいの原因と対策について、あんしん漢方薬剤師の中田早苗さんに解説いただきます!

PMSとめまいの関係

ナプキン
出典:Unsplash


PMSとは生理が始まる3〜10日前にホルモンバランスの変化により生じる身体的・精神的な不調のことです。

身体症状としては頭痛、腰痛、胸の張りや便秘など、精神症状としてはイライラや気分の落ち込みなどが一般的ですが、生理前にめまいがするという人も少なくありません。

PMSのめまいは、水分循環の滞りと血の巡りの乱れが原因だと考えられています。

生理前のからだは、プロゲステロンの作用により、妊娠に向けて体内に水分を溜め込みやすい状態です。

その際に、平衡感覚をつかさどる内耳の一部にも水がたまってしまうと、めまいを引き起こすことがあります。

そのほか、生理前に血糖値が上昇するという事例も報告されていることから、急激な血糖値の上昇が、血の巡りに影響を与えることが、めまいの原因ではないかともいわれています。

このように、生理前のからだは、めまいが起こりやすい状態なのです。

PMSにできるおすすめ対策

ヨーグルト
出典:Unsplash


ホルモンバランスの変化によって起こるPMSですが、できるだけからだへの影響を抑えて穏やかに過ごしたいですよね。

誰でもできる対策を紹介するので覚えて実践してみましょう。

睡眠の質を上げる

ホルモンバランスの変化は自律神経の乱れにもつながります。

自律神経を整えるには、質のよい睡眠をとることが最善策です。

カフェインの含まれた飲み物を飲む、寝る前にスマホやテレビを見るなど、眠りの質に悪影響を与える行為はNG。

代わりに、好きな香りのアロマを焚いたり、ハーブティーを飲んだりと、自分に合ったリラックス方法を試してみましょう。

自律神経の乱れは万病の元。

とくに生理前は規則正しい生活を心がけましょう。

腸内環境を整える

腸内にはたくさんの細菌が存在しており、それらが適切なバランスで存在していることで、スムーズな代謝や吸収が可能になります。

生理前は消化器系が敏感になりやすいため、日頃から腸内細菌のバランスを整える習慣をつけておくことが大切です。

腸内細菌のバランスを保つためには、発酵食品や食物繊維を摂取し、善玉菌を増やすことを意識しましょう。

適度な運動やリラックスできる時間を確保することも忘れずに。

ホルモンバランスの変化による影響を最小限に抑えるためにも、食事や生活に気を配りましょう。

めまいに効くツボ

ツボ押しは場所と時間を選ばず手軽に実践できるのが魅力です。

PMSにおすすめのツボを紹介します。

三陰交(さんいんこう)

三陰交
出典:illustAC


全身へ栄養やエネルギーを届けることを促進する作用があるツボです。

冷えやむくみ、イライラなどそのほかのPMSの症状にも効果があります。

ツボの場所は、足の内側のくるぶしの上で、くるぶしから手の指4本分上の骨のキワにあります。

強すぎない力で5秒押してゆっくり離す動作を繰り返しましょう。

関元(かんげん)

関元
出典:illustAC


骨盤内の血流を上げる作用があるツボです。

腹部の冷えを和らげ、生理痛や下腹部の痛みの緩和が期待できます。

ツボの場所は、おへそから指4本分下の位置です。

両手の指先を当て、押しながら5秒かけて鼻から息を吸い、力をぬきながら10秒かけて口から息を吐きだしましょう。

手のひらで温めながらツボを押したり、カイロや温湿布を使って温めたりするのも効果的です。

悩ましいPMSには漢方薬もおすすめ

生薬
出典:Unsplash


PMSは漢方薬でも対策できることを知っていますか?

PMSによるめまいはホルモンバランスの変化に伴う血や水の巡りの乱れが原因です。

そのため、
  • 自律神経のバランスを整える
  • 血流をよくして栄養をからだ中に届ける
  • 水分の循環を改善する


などの効果が見込める漢方薬を選ぶのがいいでしょう。

<おすすめの漢方薬>

加味逍遙散(かみしょうようさん)

気(エネルギー)や血(栄養)の巡りをよくして過剰の熱を冷ますことで、精神の興奮を和らげて不眠やイライラを改善する漢方薬です。
血行をよくして女性ホルモンのアンバランスによる不調を整え、精神不安やイライラを改善します。
自律神経を整える作用もあり、PMSに伴う不調がある人におすすめの漢方薬です。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血(栄養)の不足を補い、血液の巡りをよくし、からだを温めることで、PMSに多い血行障害の改善を目指します。
水分代謝を整え、血行をよくする作用もあるため、冷えや生理に伴う症状、肩こりなどにも用いられます。
体力虚弱で疲れやすく、下半身の冷え、貧血傾向でむくみ、めまい、頭重、肩こりのある人におすすめです。


漢方薬は、症状そのものだけでなく、からだ全体に作用するのが特徴です。

そのため、自分の体質や症状に合った漢方薬を選ぶことで、めまいだけでなく、そのほかの症状にもアプローチすることが可能です。


また、漢方薬は体質改善を得意としているため、長期的に服用することでPMSに悩まされないからだ作りをサポートしてくれるはずです。


どのような漢方薬がいいかわからないという人でも心配いりません。

最近は、オンラインで簡単に自分に合った漢方薬を選べるサービスもあります。


忙しい毎日のなかで、食事、運動、睡眠習慣を整えるのは簡単ではありません。

漢方薬は飲むだけで完了するので、時間がない人でも手軽に対策できます。

PMS対策は日頃から

ホルモンバランスの変化が激しい生理前は、からだやこころにさまざまな不調を覚えやすい時期。

しかし、日頃の生活習慣を整えておくことで、PMSによる不調を最小限に抑えることは可能です。

この機会に自分のからだや生活を見直してみるのはいかがでしょうか。

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)

デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。
症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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