なんだか無気力…その正体は?‟五月病”のメカニズムと改善法

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進学、就職、転職、異動など、環境の変化が大きな4月。

新年度をなんとか乗り越えたものの「最近何をするにも無気力になってしまう」という悩みを抱えている人はいませんか?


その症状は五月病かもしれません。

今回は五月病のメカニズムと対策・改善方法をあんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに紹介していただきます。

そもそも五月病って何?

疑問符
出典:Pixabay


五月病とは、5月の連休明けごろに起こる、無気力、集中力の低下、心身の不調などの俗称です。

必死に勉強して受験に成功した学生が、新生活が始まり1か月ほど経った5月の連休明けに急に無気力になる現象が、五月病という名前の由来だといわれています。


とはいえ、五月病は学生だけではなく、誰でもなりうる症状です。


五月病の症状は一過性のものであるため時間の経過とともに落ち着きますが、五月病による気分の落ち込みからうつ病などの心の病に転じる可能性もあるため、長期化する場合や改善がみられない場合は、精神科や心療内科を受診するのをおすすめします。

五月病セルフチェック

ノート
出典:Unsplash


五月病の症状は一般的な体調不良だと見落とされがち。

代表的な症状を紹介するので、最近の自分の体調を振り返ってみましょう。

当てはまる症状が多い人は五月病かもしれません。


(1) 精神面

  • 好きだった趣味に興味がもてない
  • 授業や仕事に集中できない
  • 学校や会社に行きたくない

(2) 身体面

  • 下痢、悪心、腹痛などの消化器系の症状
  • 睡眠障害、頭痛、めまいなどの自律神経系の症状

(3) その他

  • 食欲不振や過食
  • お酒やタバコの量が増える

悩める五月病におすすめの対処法2選

散歩する女性
出典:Unsplash


五月病の原因のひとつは自律神経の乱れです。

そのため、自律神経を整えることで、症状の発症や悪化を抑えることが期待できます。

誰でもできるおすすめの対処法を2つ紹介するので実践してみてください。

午前中に日光浴

朝に太陽の光を浴びることで、幸せホルモンのセロトニンが分泌されます。

セロトニンは、鬱々とした気分の解消に役立つだけでなく、体内時計をリセットし、調整する作用もあります。


自律神経を整えるのに一番大切なのは睡眠。

五月病になると、夜更かしをしてしまったり、眠りにつきにくかったりと睡眠トラブルが起こりがちです。

そのため、毎日決まった時間に起きるよう心がけ、起きたら朝日を浴び、規則正しい睡眠習慣を取り戻すことが大切です。

3行日記

3行日記とは、その日の出来事を3行で綴る日記のことです。

最初に日にちと曜日を書き、よくなかったこと、よかったこと、そして明日の目標をそれぞれ1行ずつ順番に書きます。


3行日記を書いて、その日の出来事を客観的に振り返ることで、よくなかったことの予防・改善につなげることができます。

また、よかったことを見つけることで、つらいことばかりの1日ではなかったと自覚することもできるのがポイントです。


無気力な状態のときの翌日の目標決めや、鬱々としているときの嬉しかったこと探しは、五月病から抜け出すよいリハビリになるでしょう。

五月病の症状には漢方薬もおすすめ

生薬
出典:Unsplash


五月病は漢方薬でも対策できるのを知っていますか?

五月病の原因は、年度末から年度初めにかけてのストレスや疲れなどによる自律神経の乱れにあります。


そのため、

  • 気分の落ち込みや興奮を改善する
  • 血流をよくして自律神経の乱れを整える
  • 消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする
などの効果がある生薬を含む漢方薬を選ぶのがいいでしょう。


<五月病対策におすすめの漢方薬>

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

ストレスなどによってできた喉のつかえ感を取り去ることで、イライラ、不安、不眠などの症状を改善するほか、胃の働きを整える作用もあるため、消化不良、膨満感、胃炎にも用いられます。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

怒りやイライラの原因となる神経の高ぶりを抑え、精神を安定させイライラや不眠を改善します。


漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく、根本からの体質改善を得意とするため、不調を治すだけでなく、不調にならないからだへと導いてくれるのが特徴です。


漢方薬の効果を実感するためには、自分の体質や自覚症状にあった漢方薬を選ぶことが大切です。

最近では、AIが自分にあった漢方薬を選んでくれるサービスもあるので、漢方薬に詳しくなくても大丈夫。

オンラインで簡単にできるため、忙しい人でも気軽に試すことができますよ。

自律神経を整え五月病を撃退しよう

環境の変化が激しい春を乗り越え迎えた5月は疲れもストレスもたまりがち。

緊張の糸が解けることで心身の不調を感じやすい時期だといえます。


五月病かなと思った人は、生活習慣を見直して、悪化する前に対策をとるようにしましょう。

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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