「不感症かも?」案外知らない‟心とからだのメカニズム”を解説

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「もしかして私、不感症かも」と不安に思うことはありませんか?

性的な刺激に対して感じにくいと悩む人は少なくありません。


その背景には心やからだのさまざまな要因が関係しているといわれています。

不感症は決して珍しいものではなく、原因を理解し、適切に対処することで改善が期待できることも多いのです。


この記事では、不感症に関わる心とからだのメカニズムについて、あんしん漢方薬剤師の中田早苗さんに教えていただきます。

そもそも「不感症」とは

疑問符
出典:Unsplash


「不感症」とは、通常感じるべき刺激に対して感覚が鈍くなったり、ほとんど感じられなくなったりする状態のことです。

一般的には、性に関連する場面で使われることが多く、性的な刺激に対して快感や興奮を感じにくくなる症状を指します。


この不感症は男性よりも女性に多い傾向にあるといわれています。

ホルモンバランスの変動や出産、ストレス、過去の性的トラウマ、パートナーとの関係性など、さまざまな影響により性的感受性の低下につながることがあるのです。


性的な悩みはデリケートな問題で「誰かに相談するのは恥ずかしい」と思うかもしれません。

しかし、早期に改善するためには、1人で抱え込まずに専門機関に相談してみましょう。

適切な治療やカウンセリングで症状が解消されやすくなります。


なお、セルフケアで対策ができる場合もあります。

そのためにはまず「なぜ感じにくいのか」を知ることが大事です。

感じにくい理由を知ることで、解消法や対策を導きやすくなりますよ。

「感じにくい」には理由がある!

毛布にくるまる女性
出典:Pixabay


セックスで感じにくい原因は、前述したように「ストレスや不安などの心理的な要素」「パートナーとの信頼関係の不足」「体調不良やホルモンバランスの乱れ」などが挙げられます。

「ストレスが感じにくい原因になるの?」と思う場合もあるかもしれませんが、精神的な負担はホルモンバランスの崩れなどにもつながり、不感症の原因になっている可能性は否めません。


また、身体的な原因としては「感じやすい部分をわかっていない」ということも考えられます。

これは自分自身がわかっていないパターンもありますが、自分ではわかっているのに相手に伝わっていないパターンもあるでしょう。

セックスに限らず、「これくらい言わなくてもわかるだろう」と思っていても、意外と相手には伝わっていないことも多いです。

恥ずかしいかもしれませんが、自分が感じやすい部分を知っている場合は、相手に伝えるのも重要なポイントです。

なお、男性側が原因(男性器のサイズ、体臭、口臭など)で、気持ちいいと感じられなかったり集中できなかったりする可能性もあります。

これに関しては、女性側で何も対策ができない場合が多いですが、男性側で改善してもらえそうなことであれば、さりげなく伝えてみるのもひとつの手段ですよ。


このように、感じにくさを解消するためには、心身のリラックスや、パートナーとのコミュニケーションを深めることが大切です。

無理しないための2つこと

ハート
出典:Pixabay


そもそも、セックスとは無理に行うものではありません。

状態によっては、自分の意思をきちんと伝えて、パートナーと話し合うことも必要です。

断る勇気

セックスを断る勇気は、自分自身を大切にするためにとても重要です。


しかし、「セックスを断るのが怖い」と感じる人もいるでしょう。

そこには、相手に嫌われたくない、怒られるのが怖い、関係が壊れるのが不安、といったさまざまな感情や背景があることが多いと考えられます。

とくに、断ることで自分の価値が否定されると感じてしまう場合や、過去の経験が影響している場合もあるでしょう。


とはいえ、自分の意思を大切にすることは、相手と対等な関係を保つうえでとても重要です。

本当は望んでいないのに応じ続けることは、心やからだに大きな負担をかける原因にもなります。


まずは、自分の気持ちを認めること。そして「嫌なときは断ってもいい」という意識を持つことが、感じにくさから抜け出す一歩になるでしょう。


相手との本当の信頼関係を築くためにも、自分の意思をきちんと伝えることは大切です。

義務ではない

セックスは決して義務ではありません。

たとえ親しい関係であっても、自分の意思や気持ちが何よりも大切です。


性行為はお互いの合意と信頼に基づいて行われるべきものであり、「しなければいけないもの」「応じなければ嫌われる」といったプレッシャーのもとで無理にするものではありません。


どんなに親しい関係であっても、互いの同意と気持ちが伴ってこそ意味のあるものです。

「パートナーだから応じなければならない」と感じる必要はなく、自分の気持ちや体調を最優先していいのです。


無理に応じることは、心の負担になり、関係をかえって悪化させることもあります。

大切なのは、互いの自由と尊重を基本にしたコミュニケーションです。

自分を大切にすることが、よい関係を育む第一歩になることもあるので、まずは自分の気持ちを大切にしてあげましょう。

ストレスケアには漢方薬もおすすめ

生薬
出典:Unsplash


不感症の原因のひとつとして挙げられる、ストレスなどの心理的要因は、根源そのものを排除できれば問題ないでしょう。

とはいえ、このストレス社会で生活をしていると、ストレスや不安の原因を完全に排除するのはおそらく難しいですよね。


そのため、大切なのはストレスになりそうなことはできるだけ避けつつ「自分なりのストレス解消法を見つける」ことです。

運動をするのもよし、趣味の時間を作るのもよし、漢方薬を飲んでみるのもよいでしょう。


漢方薬は心とからだ全体のバランスを整えることで、ストレスや不安によって起こる不調にも働きかけてくれますよ。

具体的には、下記のような働きのある漢方薬を選びましょう。


  • 自律神経のバランスを整える
  • 消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする
  • 心をおだやかにし、気分の落ち込みやイライラを改善する


漢方薬は自然由来の生薬で構成されており、一般的に副作用も少ないといわれています。

決められた量を飲むだけなので、日常生活にも取り入れやすいのが嬉しいポイントです。

そのため、「ストレス解消のための時間を確保できない!」といった人は、まずは漢方薬を試してみるのもいいでしょう。

<ストレスケアにおすすめの漢方薬>

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

体力が低下して、虚弱な人に向いています。
ストレスなどで高ぶる精神を安定させることで、カッとなりやすい、イライラしやすいなどの興奮を抑え神経症や不眠に働きかけます。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

気分がふさいで、のどの詰まり感がある方に向いています。
ストレスなどによってできた喉のつかえ感を取り去ることで、不安や緊張を和らげストレス性の胃痛や吐き気、不安、イライラに働きかけます。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

のぼせ感があり、疲れやすい人に向いています。
上半身にこもった熱を冷ますことで精神を落ち着かせて、気分の落ち込みやイライラなどの症状に働きかけます。

<漢方薬を選ぶ際の重要なポイント>

漢方薬は自分のからだに合ったものを選ぶことが重要です。

「あんしん漢方」にはAI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」があり、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができます。

しかも、価格もお手頃で自宅まで郵送してもらえますよ。

不感症かも?と感じたら

人の性事情は非常にセンシティブで、悩みがあっても周りには相談しづらいかもしれません。


しかし、ときには周囲の人の力を頼るのも大切です。

1人で悩まず、パートナーと話し合ったり、ときには専門機関を頼ってカウンセリングを受けたりしてみてくださいね。


なお、もし痛みなども伴う場合は専門的な治療を受けることをおすすめします。

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)

デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。
症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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