無理しすぎNG!やせたい気持ちが招くトラブルとは?

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やせるために、食事を極端に減らしたり、単品だけを食べ続ける方法を試したりしたことがある人もいるのではないでしょうか。

確かに体重は一時的に落ちますが、体調不良になったりリバウンドしやすくなったり、その代償は大きいといえます。

今回は、健康的な美しさを大切にするために必要な知識について、あんしん漢方薬剤師の中田早苗さんに教えていただきます。

そのダイエット、本当に大丈夫?

体重計
出典:Photo-ac

厚生労働省によると、20代女性の約2割はBMI18.5未満の「低体重」に分類されます。

この場合、見た目はスリムでもからだの中ではエネルギー不足や栄養失調が進んでいる可能性が否めません。

免疫力の低下、骨量の減少、筋肉量の減少など、将来的に深刻な健康問題を招く恐れがあるのです。

とくに女性にとっては、やせすぎはホルモンバランスの乱れを引き起こしやすく、月経異常や不妊のリスクとも直結します。

単に「やせればいい」と考えるのではなく、その方法がからだにとって本当に安全かどうかを冷静に見極める必要があります。

健康的なからだこそ、美しさの土台であることを忘れてはいけません。

生理不順・冷え・疲れ…やせすぎのサイン

生理用品
出典:Unsplash

低体重が続くと、からだはさまざまなサインを出します。

まず代表的なのが生理不順です。

体脂肪率が一定以下になると、女性ホルモンの分泌が不安定になり、周期が乱れたり無月経になったりします。

これは「やせすぎだから少し不便」というレベルの問題ではなく、将来の妊娠や出産、さらには骨粗しょう症のリスクに直結する深刻なサインです。

さらに、冷え性や慢性的な疲労感もやせすぎによる典型的な症状です。

栄養不足でからだが熱を作り出せず、手足の冷えや体温低下を引き起こしやすくなります。

また、十分なエネルギーがないため集中力が続かず、仕事や勉強のパフォーマンスにも影響を及ぼすかもしれません。

そして、美容面のトラブルも軽視できません。

肌荒れ、髪のパサつきなどは、栄養不足が原因になっている場合もあります。

つまり、「やせればキレイになる」と思って始めたダイエットが、逆に美しさを損ねてしまう可能性があるのです。

これらの不調は「ただの体質」ではなく、「からだが限界を迎えている」という警告です。

無理なダイエットを続けている人は、このサインを見逃さないようにしましょう。

心とからだを守るダイエット法

お弁当
出典:Pixabay

では、健康を守りつつ理想の体型を目指すには、どのような方法が望ましいのでしょうか。

まず基本は、栄養バランスを意識した食事です。

炭水化物を全く食べない、脂質を極端に排除する、といった方法はからだを弱らせます。

炭水化物は脳や筋肉のエネルギー源、脂質はホルモンの材料、たんぱく質は筋肉や肌の構成に必要な成分です。

主食・主菜・副菜をそろえ、肉や魚、大豆製品、野菜をバランスよく取り入れることが大切です。

次に、適度な運動を習慣にすること。

ウォーキングやストレッチ、軽い筋トレは基礎代謝を高め、消費エネルギーを増やすだけでなく、筋肉や骨を強く保ちます。

「食べないでやせる」のではなく「動けるからだを作る」ことを目標にすると、健康的でリバウンドしにくいからだを得やすくなります。

また、心の健康も忘れてはいけません。

「もっとやせなければ」と自分を追い込みすぎると、摂食障害やうつ症状につながることがあります。

十分な睡眠、趣味や友人との交流など、心を整えることが結果的にからだの健康にもつながります。

理想の体型を手に入れるためには、無理な制限ではなく「続けられる習慣」を積み重ねることが重要です。

無理なダイエットで健康を手放さないで

無理なダイエットは、体重が減っても健康や美しさを損なってしまいます。

大切なのは「健康的にやせる」ことです。

バランスのとれた食事、適度な運動、十分な休養を心がけることで、心もからだも健やかに整っていきます。

やせすぎを目指すのではなく、健康的で美しい自分を育てることをゴールにしましょう。

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)

デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。
症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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