1: 2024/12/21(土) 23:51:48.60 0
さて、大学入学と同時に私は群馬から上京した。
私にとって東京は、小学校低学年から通っていて、仕事をする場所。山手線に乗っていれば、どの駅を通り過ぎても、だいたい仕事の記憶が思い出される。
事務所に行くために使っていた路線は、今でも乗ると心臓がバクバクする。心の奥に沈めたあのときの出来事、人に言ったこと、言われたことがよみがえる。
もともと好きだなんてあまり思ったことのなかった東京は、上京したことにより、さらに居心地の悪いものとなった。
仕事終わり、21時以降に帰宅していると、路上で知らない人に声をかけられるようになった。1年に何回かではなく、ほぼ毎日だった。走って逃げると、スーツを着たサラリーマンが追いかけてきた。怖かった。
なんで歩いているだけで、声をかけられ、興味のない飲みに誘われるのか、なぜ頭からつま先まで品定めするように凝視されるのか、なぜ何事もなく帰宅することができないのかわからなかった。それから、主に男性から“好意を持つ対象”と認識されることが耐え難かった。
ある日、学校と仕事を終え、ジーパンにTシャツで帰宅しているとき、大きな発見をした。声をかけられない! なぜかはわからないけれど、何事もなく帰宅できる安心感を得た。
当時、私が住んでいたエリアでは、通勤する女性たちのバッグがみんなブランド物だった。街を飾るモノグラムを見て、今まで住んでいた群馬との違いにクラクラした。
ここは私のいるべき場所じゃないな、と思った。
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