「自分の意志ではお酒をやめられない」
こうした状態を、「単にお酒が好きなだけ」と結論づけていませんか?
もしかするとそれは、「アルコール使用障害(AUD)」のサインかもしれません。
今回の記事では、アルコール使用障害(AUD)の定義や、よく知られている「アルコール依存症」との違いについて、あんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに解説いただきます。
夜の一杯、無意識のうちにクセになってない?
「AUD」とは、「Alcohol Use Disorder」の略で、日本語では「アルコール使用障害」または「アルコール使用症」と訳されます。
仕事やプライベート、健康など、社会生活に悪影響が出ているにもかかわらず、アルコール摂取を自分の意志でやめられない状態を指します。
アルコール使用障害(AUD)は広い概念であり、軽度、中等度、重症に分類され、よく耳にする「アルコール依存症」はこのうちの重症例を指すことが一般的です。
「ほんの少しの一杯」のはずが、二杯、三杯と増えていく。
それがやめられずに習慣化し、やがて社会生活にまで影響を及ぼして周囲の人間関係を壊してしまうこともあります。
自分ではコントロールできず、控えたりやめたりができない状態こそが、アルコール使用障害(AUD)という病的な状態なのです。
晩酌ルーティンを見直したい日に。まずはセルフチェック
ここからは、簡単にお酒の依存度を確認できるセルフチェックリストをご紹介します。
以下の項目から、自分に当てはまるものをチェックしてみてください。
- 疲れた日や嫌なことがあった日に、お酒を飲まないと切り替えにくいと感じる
- 「今日は控えよう」と思っていたのに、つい飲んでしまうことがある
- 飲む量は多くないつもりでも、飲む日が増えてきた気がする
- 晩酌がないと、何となく物足りないと感じる
- ストレス解消や気分転換の方法が、お酒中心になっている気がする
- 家で飲み始めると、区切りがつかずだらだら飲みやすい
- 飲まない日をつくろうとすると、少し落ち着かないと感じる
- 前よりも飲む量や回数が少しずつ増えている気がする
ひとつふたつ当てはまるからといって、すぐに深刻に考える必要はありません。
ただし、該当する項目が多いほど、アルコールに対する依存度が高い可能性があります。
重要なのは、お酒を飲むときに「量や頻度を自分でコントロールできているか」という点です。
また、一度の量が少なくても頻繁に飲む場合は「習慣飲酒」に当てはまるため、量が少なければ安心というわけではありません。
日頃のお酒の飲み方を振り返ることが大切です。
まず見直そう。やりがちNG習慣
続いて、アルコールを摂取する際に気をつけたい3つのNG習慣を見ていきましょう。
空腹のまま飲み始める
空腹のまま飲酒するのは注意したい危険な傾向のひとつです。おなかに何も入っていない状態でアルコールを摂取すると、飲酒のペースが上がりやすく、結果的に適量を超えてしまいがちです。
また、空腹時はアルコールが胃から小腸へと移動するスピードが速くなり、血中アルコール濃度も急上昇。
一方で、食事を摂って胃に食物が入っている場合であれば、アルコールの分解を遅らせられるといわれています。
酔いが回りやすいと感じる方は、まず先に食べものを口にしてからお酒を飲むように順番を変えるだけでも、自然と飲むペースを抑えられます。
だらだら飲む
長時間かけて飲む「だらだら飲み」は、アルコールの総量が増える原因になります。とくに家飲みでは、外で飲むときのように時間や区切りを気にせず飲んでしまう傾向があります。
そのため、自分が今どれくらい飲んでいるのかペースが掴みにくくなり、気づかないうちにお酒が進んでしまうのです。
スマホをいじったり、テレビを見たりしながらの「ながら飲み」も同様で飲酒そのものへの意識が薄れ、無意識に進みやすくなります。
飲みすぎを防ぐために「今日はこれだけ」と、あらかじめ本数や飲む量のマイルールを決めておくことがおすすめです。
疲れた日ほど、お酒だけに頼る
日々の疲労や不満、ストレスをすべてお酒にぶつけてしまうタイプは要注意です。たとえそのときはスッキリしたとしても、肉体的にはさらに負担がかかっており、それがアルコール依存度を高めてしまう原因にもなります。
アルコールは一時的に脳をリラックスさせてくれますが、ストレスの根本原因が解消されるわけではありません。
そのため、「嫌なことがあったから飲もう」と、常にお酒に頼る悪循環に陥ってしまいます。
早めに就寝する、適度にからだを動かす、環境を変えるなど、お酒以外のリセット方法を用意して、アルコールに逃げ込まない工夫が大切です。
飲みたくなる夜の背景に。漢方という内側ケアも
アルコールを摂取したくなる背景には、単にお酒が好きという理由だけでなく、疲労や緊張などのストレス、不眠などの不調が隠れている場合があります。
まずはその原因を探って解決し、アルコールへの依存度を下げていきましょう。
慢性的に疲労や不眠で悩んでいる場合は、漢方薬をとり入れるのもひとつの選択肢です。
漢方は、乱れたからだのバランスを整えることで、心身全体をよい状態へ導き、不調を改善していくという考えに基づいています。
原因がいまいち掴めない不調であっても、体質の偏りを整えることでアプローチが可能です。
また、漢方薬は飲むだけで済むので生活にとり入れやすく、続けやすい面があるというメリットもあります。
疲労感や精神の緊張、不眠の悩みに対処するには、
「胃腸の機能を高めてエネルギーと栄養を補う」
「自律神経を整えてストレス疲労を緩和する」
「イライラや興奮を鎮めて寝付きをよくする」
といった作用が期待できる生薬を含む漢方薬を使用しましょう。
<疲れ・緊張・不眠対策におすすめの漢方薬>
加味帰脾湯(かみきひとう)
胃腸機能を高めて弱った心身に働きかけ、食欲不振や疲労、不眠や精神不安の改善に役立ちます。加味逍遙散(かみしょうようさん)
自律神経を整えて神経の高ぶりを落ち着かせ、不眠を緩和するほか、女性ホルモンの変動による心身の不調の改善に役立ちます。ただし、漢方薬は、体質との相性がとても重要です。
体質と合っていない漢方薬を使うと、期待する効果を得られなかったり、思わぬ副作用があらわれたりすることがあります。
必ず漢方に精通した医師や薬剤師に相談し、自分に合った漢方薬を提案してもらいましょう。
「もう少し気軽に漢方薬を使ってみたい」という方には、オンライン漢方サービスの「あんしん漢方」がおすすめです。
あんしん漢方は、体質の診断、漢方薬の提案、適切なアフターフォローまで、ネットで完結。
忙しい方でも気軽に利用できるので、初めて漢方薬を試したいという方にも最適です。
お酒は節度を保って楽しもう
「アルコール使用障害(AUD)」とは、自分の意志でお酒をコントロールできない状態を指し、重症化して「アルコール依存症」になると、社会生活にも大きな影響を及ぼしてしまいます。そうなる前に、まずは日々の飲酒習慣を見直してみましょう。
「空腹時」「だらだら飲み」「ストレス飲み」を避けるだけでも十分な効果が期待できます。
節度を保って上手にお酒と付き合いましょう。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

