このホテル、チェックイン前にはホテルを代表するレストランであるメインダイニング錦のテラスエリアでのランチが楽しめて、チェックアウト後も荷物を預ければ、14時から約1時間、日帰り温泉気分でお風呂へ。
次のお客さまがチェックインする15時までゆっくり館内で過ごせます。つまり”約28時間ステイ”が楽しめる宿なのです。その約28時間を、チェックイン前から時系列でご紹介します。前編は、到着から夜のお楽しみまで。
今回は、ママと子ども、そしてママの女ともだちの3人旅。帰るころには「家族旅行の行き先として、これ以上の選択肢があるだろうか」と思うほど、心からおすすめしたい宿になっていました。(滞在中に使った旅サプリ・旅コスメなどのアイテムは、また別記事にてまとめてご紹介します)
海の上に立つ、白い客船のようなホテルに到着
東京駅から新幹線でわずか約45分、熱海駅からは送迎バスで約10分。すぐ近くにある、非日常です。
「ニューアカオ」の赤いレトロなロゴを掲げた白亜の建物は、2012年に日本ジオパークに認定された錦ヶ浦の断崖の先端、海の上にせり出すように立っています。客室は全353室がオーシャンビュー。到着した瞬間から、まるで大きな客船に乗り込むような高揚感です。
公式サイトの全体図を見ると、その巨大さに改めて驚きます。断崖の上に建つローマ建築風の「ホライゾン・ウイング」、海の上にせり出す高層の「オーシャン・ウイング」の2棟に、海と一体化した温泉棟「スパリウムニシキ」。山の上から波打ち際まで、崖一帯がまるごとニューアカオの世界なのです。
今回私たちが泊まったのは、”本物の昭和ワールド”を継承する海洋上の高層ホテル、オーシャン・ウイングです。
車寄せの向こうはもう相模灘。白い遊歩道を歩けば、目の前に水平線が広がります。
振り返れば、熱海の街並みと湾がひと続きに見渡せます。
まずは予習。コロナ禍からの見事な復活劇
いまでこそSNSで「昭和レトロの聖地」と人気のニューアカオですが、コロナ禍の影響に老朽化も重なり、2021年11月、約半世紀の歴史にいったん幕を下ろしました。その後、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループへ事業譲渡。
グループ内のマイステイズ・ホテル・マネジメント(現:アイコニア・ホスピタリティ株式会社)が運営を担い、2022年12月に開業当時の名称「ホテルニューアカオ」が復活。
2023年7月1日にはオーシャン・ウイングの客室250室と「メインダイニング錦」が営業を再開し、完全復活を果たしました。
現在も、福島の「スパリゾートハワイアンズ」や宮崎の「フェニックス・シーガイア・リゾート」なども手がける同社の運営のもと、2026年4月からは段階的な大規模リニューアルが進行中。昭和の意匠を壊さずに磨き直す再生のやり方が、幅広い世代に支持されています。
11:30 チェックイン前に、波打ち際の新テラスレストランでランチ
チェックインは15時ですが、荷物を預ければ滞在はもう始まります。まず向かったのは、2026年6月1日にオープンしたばかりの「メインダイニング錦テラスエリア」。ホテル初の屋外ダイニングで、宿泊者以外も利用できます(全20席、11:00〜16:30 L.O.16:00)。※天候(天気や気温など)や海洋状況により、食事提供の場所が変更となる場合がございます。
目の前は錦ヶ浦の岩場と洞窟。波音と潮風を感じる、文字どおり「波打ち際」の特等席です。赤いパラソルの下で、崖と海を眺めながらのランチは格別でした。
この日はすぐそばの入り江でSUPを楽しむ人たちの姿も。
メニューは、前菜からデザートまで静岡の恵みが続くラインアップ。富士山麓・朝霧高原の卵に、旨みあふれる駿河湾産のしらすと香ばしい桜えびをあしらった前菜「朝霧高原卵の冷製テガミーノ 駿河湾シラスと桜海老」(1,500円)は、トリュフオイルの香りがアクセントです。
ピンサは外は香ばしく、中は軽やか。デザート感覚で楽しめる「カッテージチーズとカボチャのピンサ」(各2,300円)は、シェアして楽しめるサイズ感です。他に富士山麓の牛乳から生まれたフレッシュモッツァレラを使った「マルゲリータピンサ」も。
デザートは「ニューサマーオレンジのカッサータ」(900円)。やさしい甘みのクリームチーズに伊豆産ニューサマーオレンジジャムの爽やかな酸味、ほんのり香るラム酒の余韻が、海風によく合います。
そして、テラスエリアのオープンに合わせて誕生したのが、オリジナルクラフトジン「SEACLIFF HOTEL NEW AKAO EDITION」。熱海のクラフトジン蒸溜所「SEACLIFF熱海蒸溜所」とのコラボレーションで、ラベルデザインだけでなく、ジンそのものも一から開発したホテル専用のオリジナルエディションです。
熱海産のハバノリや熱海橙、静岡茶、静岡レモンなど静岡県産素材を独自にブレンドしたボタニカル構成で、爽やかさの中にほのかな塩味や柑橘のニュアンス、お茶の奥行きある余韻が広がります。
テラスではジントニック(1,200円)やネグローニ(1,320円)で味わえて、オーシャン・ウイング2階のショッピングコーナーではお土産用のボトルも購入できます(500ml 6,600円/200ml 3,300円)。
洞窟のような空間にはソファ席もあり、子ども連れでもゆったりとくつろぐことができます。
15:00 チェックイン。全室オーシャンビューの客室へ
長い廊下を抜けて、客室へ。窓の外は遮るもののない相模灘と熱海の海岸線です。チェックインを済ませたら、ひと息つきにラウンジへ。オーシャン・ウイング2階「ラウンジアビース」とホライゾン・ウイング2階「ロイヤルラウンジ」では、14:00〜17:00の間、ソフトドリンクが無料でいただけます。
海を眺めながらのウェルカムドリンクが提供されています。チェックアウト後の館内滞在中にも立ち寄れるのがうれしいところです(写真はオーシャン・ウイング15階「サロン・ド・錦鱗」。夏季限定でウェルカムドリンクを提供しています)。
「キッズルームトリプル」の洋室はクラシカルな赤を基調に、ヘッドボードの意匠までレトロかわいい仕上がり。ベッドはゆったり幅で、子どもと添い寝でも余裕がありました。
隣にはキッズスペースが。波柄の壁紙にカラフルなプフが並び、ベビーガードや湯かごまで備え付けです。小さな子ども連れの家族旅でも、これなら安心。
おもちゃも備え付けられていて、子どもが安心して遊べる空間になっています。
実はこの日、同行した1歳半のキッズモデルさんが発熱してしまうハプニングがありました。ダメもとで「氷枕はありますか?」と尋ねると、快く貸し出してくださいました。「いつもと違う環境でお子さまが体調を崩されてしまうことはよくあることです」というスタッフさんのお声掛けが、とても心強かったです。
ホテルニューアカオでは、ベビーベッドやベッドガード、おむつバケツ、バスチェアー、子供用便座、ボトルウォーマー、お子様用掛布団・肌掛け、キッズ歯ブラシ、ベビーカー、おねしょパッドなどのベビー・キッズ用品を無料で貸し出しています。
子ども用館内着も100cm・120cm・140cmの3サイズ展開。荷物が多くなりがちな赤ちゃん連れには、心強いサポートです。(貸出品には数に限りがある場合があります)
夕暮れどきは、刻々と変わる空と海の色をいつまでも眺めていられました。
夕食の前に、海と一体の露天風呂へ
夕食の前に向かったのは、温浴施設「スパリウムニシキ」。14時から利用できるので、チェックイン日であればチェックイン前に入ることもできます。インフィニティ形式の露天風呂は、湯面と海面がひと続きに見える設計です。ちなみに館内の温泉は、インフィニティ露天風呂の「スパリウムニシキ」、ひのき風呂と絶景露天の「彩海」、波打ち際の露天「波音」の3つ。本記事では、主にスパリウムニシキの景色をお届けします。松の背に見える相模灘が、とても風情があるのです。
広々とした湯船の先に、水平線がまっすぐ延びていく開放感。まだ日の高い時間の温泉は、それだけで非日常です。
手すりの向こうは、さえぎるもののない相模灘。湯につかったまま、沖をゆく船をぼんやり見送る時間もまた格別です。
夕食は、豪華絢爛な大広間でビュッフェ
夕食は、赤い絨毯が敷かれた豪華絢爛な大広間でのビュッフェ。昭和の薫りが色濃く残る華やかな空間で、旅の気分が一気に盛り上がります。
約90種類ものメニューから、好きなものを好きなだけ。会場は、目の前で仕上げるライブキッチンを中心に、温製コーナーと冷製コーナーが並ぶ構成です。
冷製コーナーのまぐろなどのお刺身に、揚げたてのアジフライ、うなぎの蒲焼きまで地のものを中心に、どれも丁寧な味。静岡麦酒の生ビールとの相性も抜群でした。ベビーカーを席に横付けできるので、赤ちゃん連れでも安心でした。
ドリンクは、生ビールや日本酒、焼酎など約20種類が飲み放題になるプラン(2,500円)も。生ビールはサーバーから自分で注ぐスタイルで、単品なら「サッポロ静岡麦酒」の生ビール420mLが900円です。静岡の地クラフトビールもそろい、沼津クラフトの「バイカモIPA」(柿田川ブリューイング、1,300円)は、清流・柿田川に咲くミシマバイカモをイメージしたアメリカンIPA。柑橘系の華やかな香りとしっかりとした苦みが、海の幸によく合います。
ライブキッチンの本日の地魚は、静岡県産スズキ。
駿河湾の桜えびは山盛りで取り放題という、静岡ならではの贅沢さです。
揚げたてのアジフライや手羽先唐揚げが並ぶ温製コーナーはライブ感たっぷり。しらすや桜えび、いくらを好きなだけのせられる海鮮丼も、テンションが上がります。
子ども目線の高さに設えた「キッズコーナー」には、パンケーキのおえかきコーナーまで。家族連れへの目配りが行き届いています。
※季節や市況により、メニュー内容が変更になる場合がございます。
夜は「にぎわい横丁」で昭和にタイムスリップ
夕食後のお楽しみが、館内の昭和レトロ横丁「にぎわい横丁」。ちょうちんと看板が並ぶ通りに、お座敷スタイルの飲み処や「缶詰BAR~KANZO~」が軒を連ねます。駄菓子が買える「あまのやニューアカオ商店」は、のれんをくぐるだけで童心に返る空間。
夜食とお酒をつまみながら、女子旅の夜は更けていきます。
壁一面のホーロー看板や、懐かしのゲームは実際に遊べて、大人のほうが夢中になってしまうほどでした。
昭和で数えれば101年目となる今年、若者にとっては真新しいカルチャーとして、昭和を知る人にとっては郷愁や懐かしさとして、受け止められ方が違うのも、この横丁のおもしろさです。
後編では、翌朝の「メインダイニング錦」での朝食ビュッフェから、新オープンのキッズフロア、そしてチェックアウト後も15時まで楽しめる「約28時間ステイ」の締めくくりまでをご紹介します。

