じつは、その背景には、「深い眠り」の仕組みが関わっています。
今回は、寝起きがつらい原因から、今日から簡単に始められるセルフケアまで、あんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに解説いただきます。
ちゃんと寝たのに眠い…。寝起きがすっきりしないのはなぜ?
朝になっても疲れが抜けきらず、寝起きがすっきりしない。
そんなときは、睡眠の質を見直してみましょう。
「十分眠ったはずだから大丈夫」と思っていても、実際は夜中に何度も目が覚めていたり、就寝時間が日によって大きくばらついていたりすることがあります。
加えて、日中に日光を浴びる機会が少ないと、体内時計が作る「概日リズム」が乱れ、夜の寝つきに影響を及ぼすケースも。
そもそも睡眠は、脳の活動が鎮まる「ノンレム睡眠」と、全身の筋肉がゆるむ「レム睡眠」を交互に繰り返しています。
ノンレム睡眠は深く、主に睡眠の前半に多くあらわれるのに対し、レム睡眠は浅く、朝に近づくにつれて増えていきます。
深い眠りだけとろうとすると、むしろこの自然な睡眠バランスを崩す結果になりかねません。
まずは生活習慣を整え、自然な眠りにつく状態を作ることが大切なのです。
翌朝すっきり起きるための3つの準備
ここからは、翌朝の目覚めを後押しするアイデアを3つご紹介します。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
長時間の入浴でからだが温まると、入浴後は手足から熱が放散され、深部体温が徐々に下がっていきます。この深部体温の下降こそが、スムーズな寝つきへ導くカギです。
お風呂の温度は38~40度くらいで、「少しぬるい」と感じる程度がちょうどいいでしょう。
自律神経の副交感神経が優位になり、からだがリラックスモードへと切り替わることで、入眠が促されます。
入浴はなるべく睡眠の1~2時間前までに済ませておきましょう。
寝る直前の重たい食事を避ける
厚生労働省の資料では、「睡眠前2時間以内の食事は、睡眠の質に影響を及ぼす可能性がある」と指摘されています。食事時間だけではなく、食事内容にも気を配りましょう。
油分や量の多い食事は通常よりも消化時間がかかり、胃腸に負担が増すことで、睡眠の質を低下させる可能性があります。
お酒やカフェインについても、就寝前は避けるのが無難です。
外食や付き合いなどで食事を避けられないときは、おおよその就寝時間を意識しながら、重めのメニューは控えるように心がけましょう。
照明を落として「眠る準備」の合図を作る
強い光は視覚を通して脳に刺激を与え、寝つきを妨げます。とりわけスマホや電子機器などから発せられるブルーライトは、脳を覚醒させる作用があるといわれています。
就寝の1時間くらい前から部屋の照明を間接照明や暖色系のライトに切り替えることで、自然にからだを休息モードに導くことができるでしょう。
お気に入りの寝具やアロマなどを組み合わせ、くつろげる空間を演出するのもおすすめです。
眠りの悩みが続くなら。漢方薬という選択肢も
これまでご紹介したセルフケアを活用しても目立った改善がみられない場合、漢方薬という手段があります。
漢方医学は、不調をからだのバランスの乱れととらえ、体質そのものを見直すことで根本改善を目指すという理念を持っています。
毎日飲むだけで済むので、気軽にとり入れやすい点も特徴です。
たとえば、睡眠の質改善には
「自律神経のバランスを整えて、ストレスによる疲労や睡眠の質の低下を改善する」
「いらだちや興奮を鎮めて寝つきをよくする」
「栄養を全身に届けて、心とからだを元気にする」
といった作用が期待できる漢方薬を使用しましょう。
<睡眠の質改善におすすめの漢方薬>
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
ストレス、過度な心労などによる心身疲労や神経興奮を和らげ、睡眠の質改善に働きかけます。抑肝散(よくかんさん)
イライラや神経の高ぶりを抑え、精神を安定させて、神経症や不眠症に働きかけます。ただし、漢方薬は体質との相性がとても重要です。
医師や薬剤師に相談のうえ、からだに合う適切な漢方薬を選びましょう。
「もっと手軽に漢方を」という方には、オンラインで活用できる「あんしん漢方」がおすすめです。
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睡眠の質改善はまず寝る前の過ごし方の見直しから
寝起きの悪さや睡眠の質の低下を感じているなら、まずは入浴、食事、照明といった寝る前の生活習慣から見直してください。睡眠はいわば1日のなかでもっとも大切な時間といえます。
しっかりと眠りを整え、元気に毎日を乗り切る力を身につけていきましょう。
<この記事の監修者>
山形 ゆかり(やまがたゆかり)あんしん漢方薬剤師
薬剤師・薬膳アドバイザー・フェムケアサポーター。
糖尿病病棟での経験から予防医学と食事の重要性を痛感し独立。
エビデンスを軸に薬膳・発酵・フェムケアの視点でレシピ監修や執筆、講師活動を通じ「食から整える健康」を提唱。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。

