「それ魚の目?イボ?」足裏の硬いできものの正体をセルフチェックしよう

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足の裏にできた硬いできもの。

これは『魚の目』? それとも『イボ』? と悩んだことはありませんか?

そもそも、魚の目とイボは原因も症状も異なります。

しかし、見た目が似ているため見分けるのは意外と難しく、間違ったセルフケアで症状を悪化させてしまう恐れもあります。

今回は、足裏のできものの正体、魚の目とイボの違い、ケア方法や受診のタイミングについて、あんしん漢方にてサポートを行っている医師の木村 眞樹子さんに解説いただきます。

魚の目?イボ?足裏にできたものの正体とは?

砂浜と足
出典:Unsplash

足裏にできる硬いできものは、「魚の目」と「イボ」の2種類に分類されます。

医学的には、魚の目は「鶏眼(けいがん)」、イボは「疣贅(ゆうぜい)」という名称で呼ばれています。

魚の目とイボは似ていますが、実際には原因も症状も異なるのです。

魚の目は、物理的な圧力や摩擦が原因で起こります。

たとえば、靴擦れや歩き方のクセによって摩擦が繰り返されると、皮膚の角質が局所的に分厚くなっていきます。

魚の目の特徴は、中心に「芯」があり、靴が当たりやすい場所や骨が出っ張った箇所にできやすい点です。

一方、イボは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスの感染によって生じ、皮膚の傷口からウイルスが侵入することで発症します。

イボは、表面がざらついていたり、毛細血管の黒い点が見えたりするのが特徴です。

また、足裏だけでなく、手指などにもできやすい傾向があります。

魚の目とイボの違いは3つ

疑問符
出典:Photo-ac

魚の目とイボは似ていても、はっきりとした違いがあります。

ここでは、「押したときの痛み方」「表面の見た目」「原因と増え方」の3つのポイントに注目してくわしく見ていきましょう。

押したときの痛み方が違う

魚の目は、「押すと痛い」のが特徴です。

これは、中心にある芯が神経を刺激するためです。

芯はくさび状に皮膚の奥に食い込んでおり、歩いたり、垂直に押したりすると、鋭い痛みを生じます。

一方、イボには基本的には痛みがなく、押しても痛みを感じないことが多いですが、足裏にできたイボに関しては、体重がかかることで痛みが出る場合もあります。

表面の見た目が違う

魚の目には、中心に円形や楕円形の芯があり、芯の色は半透明や白色。

その周りを硬く厚い角質が囲んでいて、表面はなめらかです。

周囲は黄色みがかって盛り上がっていることが多いのも特徴です。

イボは、小さく丸い盛り上がりが結節状になっており、表面がザラザラ、デコボコしています。

色は肌色や白色ですが、褐色の場合も。 そして、毛細血管の断端が黒い点のように見えるのも特徴で、周囲に複数のイボができることもあります。

原因と増え方が違う

魚の目は、サイズが合わない靴や、長時間の歩行、歩き方の偏りやクセ、外反母趾や扁平足など足の変形によって起こる圧迫や摩擦が原因になります。

物理的な刺激が原因のため、魚の目は足裏、指の付け根など、圧力がかかりやすい部位にできやすい病気です。

一方、イボはウイルス感染が原因で、増殖する性質があります。

感染部位を触れたり削ったりすると、からだの他の部位に広がることも。

足裏は角質が厚いので、増殖しやすく、イボが複数できることもあります。

イボは、感染者との直接的な接触だけでなく、タオルや足ふきマットなどを介して、間接的に感染することもあります。

ケア方法と受診のベストタイミング

クリーム
出典:Photo-ac

魚の目の場合は、サリチル酸配合の貼付薬や塗布薬を患部に使用し、芯や硬い部分をふやかして除去します。

また、フットバスなどで皮膚を柔らかくしたあとフットファイルなどで削ると、除去しやすいのでおすすめです。

しっかりと足全体を保湿し、乾燥を防ぐことも大事です。

イボの場合も、サリチル酸配合の薬品を患部に使用します。

ただし、魚の目と違って、無理に削ったり除去したりしようとすると、ウイルス感染で周囲に広がる場合があります。

市販薬で対処できない場合は、皮膚科で液体窒素療法などの専門的治療を受けましょう。

魚の目もイボも、病院を受診し、適切に治療すれば完治します。

薬局やドラッグストアなどで販売されている市販薬で対処することもできますが、まずは皮膚科を受診し、できものの正体を正確に判断することが大切です。

受診のタイミングは、できるだけ早いほうがいいでしょう。

適切な処置をせずに放置してしまうと、症状が悪化することがあります。

とくに、強い痛みがある場合や、生活や仕事に支障が出ている場合は、早めに受診しましょう。

ここまでは魚の目とイボについて解説してきましたが、足裏のできものは、「胼胝(べんち)」、いわゆる「たこ」と呼ばれるものや、粉瘤、脂肪腫などの可能性もあります。

また、稀ではありますが、「メラノーマ」という、皮膚がんの一種の場合も。

メラノーマは見た目がほくろに似ていますが、急に大きくなったり、形がいびつだったり、ゴツゴツとした形状だったりする場合は、注意が必要です。

メラノーマは人口10万人あたり1~2人と非常に稀な疾患ですが、気になる場合は医療機関を受診しましょう。

肌のターンオーバー促進には漢方薬もおすすめ

生薬
出典:Photo-ac
できもの以外にも、肌の悩みを抱えている人には、漢方薬もおすすめです。

漢方薬は、乱れた肌のターンオーバーを整え、新陳代謝を正常なリズムに導く効果が期待できます。

漢方薬は、からだの不調を引き起こす原因の根本からの改善を目的としています。

体質の改善や繰り返す肌トラブルの対策にもおすすめです。

また、漢方薬は植物や鉱物といった自然由来の生薬をもとにしていて、一般的に西洋薬に比べて副作用リスクが低いといわれます。

毎日飲むだけで済むので、生活習慣を大幅に見直す必要がない点も魅力です。

漢方薬で肌の調子を整えるには、
「血流をよくして全身に栄養を届ける」
「水分の循環をよくして肌に潤いを与える」
「ホルモンバランスを整えて皮膚トラブルを軽減する」
「肌の新陳代謝をよくして紫外線によるダメージを回復する」
といった作用を期待できる生薬を含む漢方薬を使用しましょう。

<肌のターンオーバー促進におすすめの漢方薬>

薏苡仁(よくいにん)

肌の表面に滞った老廃物を排出し、肌に潤いを与えて、水いぼを取り去ります。
また、シミを薄くする働きもあります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血流や水分代謝を整え、肌に必要な栄養や潤いを届け、炎症やシミに働きかけます。

漢方薬は、体質との相性もとても重要です。

からだに合っていない漢方薬を使っても、本来期待される効果を得られないどころか、思わぬ副作用に見舞われる場合もあります。

漢方薬を使用する際は、漢方に精通した医師や薬剤師に、ご自身に合ったものを提案してもらいましょう。

「もっと気軽に漢方薬を使いたい」という人は、オンラインサービスの「あんしん漢方」がおすすめ。

あんしん漢方は、体質診断、漢方薬の処方、そしてアフターフォローに至るまで、漢方のプロフェッショナルが責任を持って担当してくれます。

魚の目やイボができたら、まずは皮膚科へ

足裏にできやすい「魚の目」や「イボ」などのできものは、それぞれ原因も症状も異なります。

魚の目は肌の摩擦が原因でできることが多く、中心に芯があり、押すと痛みを感じるのが特徴です。

一方、イボはウイルス感染によって生じます。

毛細血管の黒い点が見られ、押しても痛みは感じません。感染部位が広がったり、人にうつったりすることがあります。

まずは皮膚科を受診してから、適切な治療やセルフケアを行っていきましょう。

<この記事の監修者>

木村 眞樹子(きむらまきこ)
医師

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。
総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
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