「運動を心がけているのにおなか周りの肉が気になる」
そんな悩みを抱えていませんか?
実は、寝不足が太る原因になる場合もあります。
生活習慣のなかで「睡眠」をおろそかにしていると、ダイエットの大きな障壁になってしまうことも……。
今回は、夜更かしが太る原因になってしまう理由と、今夜から簡単に試せる睡眠の質向上のルーティンについて、あんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに解説いただきます。
食事も運動も頑張っているのに…?
睡眠不足は、「ホルモンの変化」や「消費カロリーの低下」という形でダイエットに影響を及ぼします。
しっかりとカロリー計算をして食事を摂り、十分な運動も心がけている。
そんな場合は、まずご自身の睡眠習慣を振り返ってみましょう。
ダイエットのために食事や運動ばかりに気をとられていると、この大事な2つの要素を見逃してしまいがちです。
たとえば、深夜の動画視聴、ゲーム、SNS……夜間に行える楽しみが増えた現代では、「ほんの少し夜更かししているだけ」のつもりでも、からだの中では大きな変化が起きているのです。
寝不足で太る2つの理由
寝不足で太る主な理由として、「ホルモン」と「消費カロリー」が挙げられます。
この2つがどう絡んでくるのかを解説していきます。
食欲を高めるホルモンが増える
人間の食欲は「レプチン」と「グレリン」というホルモンによってコントロールされており、このバランスが崩れることが太る一因になります。レプチンは、脂肪細胞から分泌され、満腹のサインを脳に届けるホルモンです。
一方、グレリンは胃から分泌され、空腹感を引き起こすホルモンです。
適切な睡眠をとっている場合、この2つはバランスよく働きます。
しかし、睡眠が不足すると、レプチンが減少し、逆にグレリンが増加するという変化が起きてしまうのです。
ある研究では、5時間睡眠の人は8時間睡眠の人に比べ、グレリンが約15%多く、逆にレプチンが約15%少なかったという結果が報告されています。
さらに、別の研究では、2日間の睡眠制限を行った場合、空腹感が約24%も増加するというデータもあります。
とくに高カロリーな炭水化物を欲してしまい、太りやすくなってしまうのです。
つまり、寝不足になると「満腹」のブレーキが壊れ、逆に「空腹」のアクセルが全開になってしまうような状態です。
ついつい食べすぎてしまう、甘いものを必要以上に欲するという状態なら、このホルモンのバランスが乱れている可能性があります。
寝ている間の消費カロリーが減る
実は、就寝時もきちんとカロリーは消費されています。この消費カロリーが減ってしまうことで、太りやすくなることもあるのです。
たとえば、体重50kgの女性がしっかりと睡眠をとった場合、約300kcalのエネルギーを消費するといわれています。
このエネルギー消費は、主に呼吸や体温維持、心臓の拍動など、生きていくために最低限必要な「基礎代謝」によるものと考えられます。
約300kcalのエネルギー消費はウォーキング約1万歩に相当し、多くの人が想像するよりもたくさんのエネルギーを就寝時に消費していることになるのです。
この消費カロリーに大きく関わるのが、成長ホルモンです。
成長ホルモンは入眠後、深い睡眠である「ノンレム睡眠」のタイミングにとくに多く分泌されます。
成長ホルモンには脂肪を分解してエネルギーに変えたり、筋肉を修復したりする働きがあります。
しかし、睡眠が乱れてしまうと、この成長ホルモンの分泌量が大きく低下してしまうこともあるのです。
今夜からできる!睡眠の質向上ルーティン3選
続いては、今日から簡単に試せる、睡眠の質を高めるためのルーティンをご紹介します。
お風呂は寝る1〜2時間前に済ませる
お風呂はシャワーだけで済ませず、しっかりと湯船に浸かり、就寝の1~2時間前までに済ませましょう。人はからだの内部の「深部体温」が下がる過程で眠気が生まれますが、入浴で深部体温を上げることで、その後の体温の下降が大きくなり、結果的にスムーズな入眠を導きます。
目安としては、40度前後のお湯に15分ほど浸かることです。
熱すぎるお湯の場合はかえって寝つきが悪くなるので気をつけましょう。
寝る前のスマホは“終了時間”を決める
就寝前のスマホは、一切禁止というよりも、きちんと終了時間を決めることで対処しましょう。スマホ画面から発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌を抑制してしまいます。
メラトニンは体温を下げて眠りを促しますが、分泌が低下することでなかなか眠れない状態を作ります。
「22時になったらスマホをしまう」「アプリでタイマーをセットする」など、終了時間を決めて習慣化しましょう。
「首の後ろ」を温めながらベッドへ
首の後ろを温めると、自律神経の副交感神経が活性化し、眠りにシフトするスイッチに。とくに首には脳と全身をつなぐ太い血管や、自律神経に関わる神経がたくさん密集しています。
その部分を温めることで血流が改善され、緊張モードになっていた交感神経も穏やかになり、リラックスに導く副交感神経が優位になります。
たとえば、ホットタオルを首の後ろに当てるだけでも十分です。
就寝の15~30分前に数分間ほど行いましょう。
睡眠リズムを整えたい人に。漢方薬で体質ケア
睡眠リズムの崩れが、今までご紹介した方法でもなかなか改善できない場合は、漢方薬を活用するのもおすすめです。
漢方薬は、体質のバランスを整えることで不調を改善に導くという基本理念があり、インナーケアとしてよく用いられます。
植物や鉱物といった自然由来の生薬をもとに作られていて、一般的に西洋薬よりも副作用を起こす可能性が低いといわれています。
毎日飲むだけと手軽なので、生活習慣を大きく変更しなくても続けやすいのもメリットです。
漢方薬で睡眠リズムを整える場合、
「自律神経の乱れを改善する」
「イライラや興奮を鎮める」
「血流をよくして中枢神経の機能を回復する」
といった作用を期待できる漢方薬を選択しましょう。
<睡眠リズムを整えるおすすめの漢方薬>
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
ストレスや過労による疲労や、過敏になった神経の高ぶりを和らげ、疲れすぎによる不眠を改善します。柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
自律神経の乱れを整えて脳の興奮を鎮め、自然な入眠を促します。漢方薬は体質との相性も重要です。
からだに合っていない漢方薬を使い続けても、本来期待できる効果は得られないでしょう。
医師や薬剤師に相談したうえで、体質に合った漢方薬を選んでもらいましょう。
「もう少しお手軽な方法を」という人には、オンラインで利用できる漢方薬サービスの「あんしん漢方」がおすすめです。
体質診断から漢方薬の提案、アフターケアまで丁寧・親切に対応してくれるため、漢方薬が初めての人にも最適です。
痩せにくいと感じたら、まずは睡眠習慣を見直して
今回は、「痩せない」という悩みの裏側に「寝不足」という意外な原因が隠れている可能性をご紹介しました。睡眠はホルモンバランスや消費カロリーにも関わります。
生活習慣が乱れたままだと、いくら食事管理や運動を続けても、なかなか効果を得られません。
まずは睡眠を見直すことで、痩せやすいからだづくりの土台を整えていきましょう。
<この記事の監修者>
山形 ゆかり(やまがたゆかり)あんしん漢方薬剤師
薬剤師・薬膳アドバイザー・フェムケアサポーター。
糖尿病病棟での経験から予防医学と食事の重要性を痛感し独立。
エビデンスを軸に薬膳・発酵・フェムケアの視点でレシピ監修や執筆、講師活動を通じ「食から整える健康」を提唱。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。

