暑い季節になると気になるのが汗。
同じ環境でも「自分だけ汗が止まらない」「他の人より汗っかきかも……」と感じたことはありませんか?
実は汗の量は気温や運動だけが原因ではなく、日々の生活習慣やストレス、自律神経の乱れなどの要因にも左右されやすいといわれています。
この記事では、汗っかきの意外な原因と、今日からできる改善方法をあんしん漢方薬剤師の中田早苗さんに教えていただきます。
同じ環境でも「自分だけ汗が止まらない」「他の人より汗っかきかも……」と感じたことはありませんか?
実は汗の量は気温や運動だけが原因ではなく、日々の生活習慣やストレス、自律神経の乱れなどの要因にも左右されやすいといわれています。
この記事では、汗っかきの意外な原因と、今日からできる改善方法をあんしん漢方薬剤師の中田早苗さんに教えていただきます。
気温だけじゃない!汗が増える意外な理由

私たちのからだは、体温を一定に保つために汗をかきます。
そのため、暑い時期や運動後に汗をかくのは自然なことです。
しかし、真冬でも大量の汗をかく人や、他人より明らかに多く汗をかく「汗っかき」体質の人もいるのではないでしょうか。
実は、このような発汗の背景には、気温や運動量以外の要因が隠されていることがあるのです。
たとえば、ストレスや緊張などの精神的な要因です。
仕事でのプレゼンや初対面の人との会話など、気持ちが高ぶる場面では、からだが「戦闘モード」になり、交感神経が活発に働きます。
このとき、体温とは関係なく、手のひらや額などに汗をかくことがあります。
これが「精神性発汗」と呼ばれるもので、汗っかきの人はこの影響を強く受けやすいのです。
また、ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調も発汗に大きく関係しています。
とくに女性は、生理周期や更年期などでホルモンが大きく変動する時期に、汗が増えたり、体温調整がうまくいかなくなったりすることも。
さらに、甲状腺の異常(バセドウ病など)も、異常な発汗を引き起こす原因として知られています。
つまり、「汗=暑さ」だけではなく、心とからだの状態が深く関わっているのです。
そのため、暑い時期や運動後に汗をかくのは自然なことです。
しかし、真冬でも大量の汗をかく人や、他人より明らかに多く汗をかく「汗っかき」体質の人もいるのではないでしょうか。
実は、このような発汗の背景には、気温や運動量以外の要因が隠されていることがあるのです。
たとえば、ストレスや緊張などの精神的な要因です。
仕事でのプレゼンや初対面の人との会話など、気持ちが高ぶる場面では、からだが「戦闘モード」になり、交感神経が活発に働きます。
このとき、体温とは関係なく、手のひらや額などに汗をかくことがあります。
これが「精神性発汗」と呼ばれるもので、汗っかきの人はこの影響を強く受けやすいのです。
また、ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調も発汗に大きく関係しています。
とくに女性は、生理周期や更年期などでホルモンが大きく変動する時期に、汗が増えたり、体温調整がうまくいかなくなったりすることも。
さらに、甲状腺の異常(バセドウ病など)も、異常な発汗を引き起こす原因として知られています。
つまり、「汗=暑さ」だけではなく、心とからだの状態が深く関わっているのです。
“汗っかき”を悪化させる生活習慣

汗っかき体質は、実は後天的に悪化する可能性も否定できません。
その原因の多くは、私たちが何気なく続けている「生活習慣」にあると考えられています。
ここではとくに注意したい3つの習慣をご紹介します。
その原因の多くは、私たちが何気なく続けている「生活習慣」にあると考えられています。
ここではとくに注意したい3つの習慣をご紹介します。
睡眠不足や夜更かし
睡眠は、自律神経を整えるうえで非常に重要な役割を担っています。
とくに、深い眠りをしっかり取ることで、副交感神経が優位になり、心身がリラックスしやすくなります。
しかし、夜更かしや睡眠不足が続くと、交感神経の働きが過剰になり、常に「緊張モード」のままになってしまうことも。
これが精神性発汗を引き起こしやすくなり、汗っかきの傾向を助長します。
また、質の悪い睡眠が続くことで、日中のストレス耐性も低下し、ちょっとしたことでドキドキ・ソワソワしてしまい、結果として汗をかきやすいからだになってしまう可能性があるのです。
睡眠不足は、たった1〜2日でも自律神経に影響を及ぼすため、できるだけ毎日同じ時間に寝る睡眠リズムを大切にしましょう。
とくに、深い眠りをしっかり取ることで、副交感神経が優位になり、心身がリラックスしやすくなります。
しかし、夜更かしや睡眠不足が続くと、交感神経の働きが過剰になり、常に「緊張モード」のままになってしまうことも。
これが精神性発汗を引き起こしやすくなり、汗っかきの傾向を助長します。
また、質の悪い睡眠が続くことで、日中のストレス耐性も低下し、ちょっとしたことでドキドキ・ソワソワしてしまい、結果として汗をかきやすいからだになってしまう可能性があるのです。
睡眠不足は、たった1〜2日でも自律神経に影響を及ぼすため、できるだけ毎日同じ時間に寝る睡眠リズムを大切にしましょう。
偏った食生活
食事内容も、発汗に関わっている場合があります。
とくに注意したいのは、以下のような食習慣です。
とくに注意したいのは、以下のような食習慣です。
- 辛いものや刺激物の摂りすぎ
- カフェインやアルコールの過剰摂取
- 脂っこいジャンクフード中心の食事
- 野菜不足によるビタミン・ミネラルの欠乏
これらはからだの代謝を乱して結果的に汗の量が増える原因になりやすいです。
とくに唐辛子などの香辛料は、カプサイシンという成分により交感神経を刺激し、一時的に汗を噴き出させる作用があります。
また、ビタミンやマグネシウムなどの栄養素が不足すると、体温調節機能の低下や自律神経の不調にもつながります。
汗っかきの人は、まず日々の食生活を見直すことが大切です。
とくに唐辛子などの香辛料は、カプサイシンという成分により交感神経を刺激し、一時的に汗を噴き出させる作用があります。
また、ビタミンやマグネシウムなどの栄養素が不足すると、体温調節機能の低下や自律神経の不調にもつながります。
汗っかきの人は、まず日々の食生活を見直すことが大切です。
スマホやSNSの使いすぎ
意外なところで「スマホ依存」も汗っかきに影響しているかもしれません。
寝る直前までSNSを見ている、1日中スマホを手放せない……
そんな生活が続くと、脳は常に情報を処理し続ける状態となり、交感神経が過剰に働き続けることになります。
また、ブルーライトの影響でメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が減り、睡眠の質が下がる → 自律神経のバランスが乱れる → 発汗機能の調節がうまくいかない…という悪循環に陥ります。
心当たりがある人は、スマホ断ちの時間(デジタルデトックス)を設けるだけでも、汗のコントロールがしやすくなるかもしれません。
寝る直前までSNSを見ている、1日中スマホを手放せない……
そんな生活が続くと、脳は常に情報を処理し続ける状態となり、交感神経が過剰に働き続けることになります。
また、ブルーライトの影響でメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が減り、睡眠の質が下がる → 自律神経のバランスが乱れる → 発汗機能の調節がうまくいかない…という悪循環に陥ります。
心当たりがある人は、スマホ断ちの時間(デジタルデトックス)を設けるだけでも、汗のコントロールがしやすくなるかもしれません。
今日からできる!精神的発汗への対策法

汗の原因がストレスや生活習慣にあるとわかったら、あとは整えていくだけです。
ここでは、今日から取り入れられる対策方法を2つご紹介します。
ここでは、今日から取り入れられる対策方法を2つご紹介します。
寝る前ストレッチで自律神経を整える
最も手軽で効果的な方法の一つが、寝る前の軽いストレッチです。
深呼吸をしながらからだをゆっくり伸ばすことで、副交感神経が優位になり、自然と心とからだがリラックスしますよ。
深呼吸をしながらからだをゆっくり伸ばすことで、副交感神経が優位になり、自然と心とからだがリラックスしますよ。
<おすすめのストレッチ1>
- 仰向けになって、両ひざを立てる。
- 両ひざを胸に引き寄せて両腕で抱える。
<おすすめのストレッチ2>
- 仰向けに寝る。
- 右脚を持ち上げて、ひざは90度に曲げる。
- 両腕を肩の高さに広げる。
- 息を吐きながら、右脚を左に倒して30秒ほどキープする。
右の肩が床から浮かないところまで右ひざを床に近付け、顔を右に向ける。 - 反対も同様に行う。
どれも1分程度ででき、テレビを見ながらできる簡単なものばかりなので、寝る前などに行ってみてくださいね。
4-7-8呼吸法で“汗をかく前の緊張”をリセット
もう一つ効果的なのが、「4-7-8呼吸法」というリラクゼーション方法です。
緊張や不安を感じたときに行うことで、交感神経の過剰な働きを落ち着かせ、汗を抑えるのに役立ちます。
緊張や不安を感じたときに行うことで、交感神経の過剰な働きを落ち着かせ、汗を抑えるのに役立ちます。
<4-7-8呼吸法のやり方>
- 口を閉じて、鼻から4秒かけて息を吸う。
- そのまま7秒間息を止める。
- 8秒かけて口からゆっくり息を吐き出す。
これを1セットとして、4セットほどくり返します。
ポイントは、息を吐く時間を長くすることです。
これによって副交感神経が刺激され、心拍数が落ち着き、汗が出にくい状態に整います。
寝る前や緊張の高まる場面(会議前・面接前など)に行えば、精神的なドキドキ汗の予防に効果が期待できます。
ポイントは、息を吐く時間を長くすることです。
これによって副交感神経が刺激され、心拍数が落ち着き、汗が出にくい状態に整います。
寝る前や緊張の高まる場面(会議前・面接前など)に行えば、精神的なドキドキ汗の予防に効果が期待できます。
自律神経の悩みには漢方薬もおすすめ

自律神経のお悩みには、これまでご紹介した方法に加えて漢方薬の服用もおすすめです。
漢方薬は自然由来の生薬でできているので、一般的に副作用も少ないといわれています。
決められた量を飲むだけなので、忙しくても続けやすいのが嬉しいポイントですよ。
具体的には、下記のような働きのある漢方薬を選びましょう。
漢方薬は自然由来の生薬でできているので、一般的に副作用も少ないといわれています。
決められた量を飲むだけなので、忙しくても続けやすいのが嬉しいポイントですよ。
具体的には、下記のような働きのある漢方薬を選びましょう。
- 気分の落ち込みを改善する。
- 興奮を鎮める。
- 血流をよくして自律神経の乱れを整える。
- 消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする。
<自律神経の悩みにおすすめの漢方薬>
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
比較的体力があり、不安感や胸が詰まった感じのある人、精神的ストレスを感じている人に向いています。
自律神経のバランスを整えることで不眠の改善が期待できる漢方薬です。
自律神経のバランスを整えることで不眠の改善が期待できる漢方薬です。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
不眠症や、疲れやすい、イライラするなどの不調に用いられる漢方薬です。
自律神経を整え、血流をよくする働きがあり、とくに女性に多く用いられています。
自律神経を整え、血流をよくする働きがあり、とくに女性に多く用いられています。
<漢方薬を選ぶ際の重要なポイント>
漢方薬は自分のからだに合ったものを選ぶことが重要です。
「あんしん漢方」にはAI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」があり、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができます。
しかも、価格もお手頃で自宅まで郵送してもらえますよ。
「あんしん漢方」にはAI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」があり、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができます。
しかも、価格もお手頃で自宅まで郵送してもらえますよ。
からだの調子を整えて脱汗かきを目指そう
汗っかきの原因は、気温だけでなく、生活習慣やストレス、自律神経の乱れも関係しています。
まずは自分の生活を見直し、呼吸法や漢方薬などもうまく取り入れて、からだの内側から汗に強いからだを目指しましょう。
まずは自分の生活を見直し、呼吸法や漢方薬などもうまく取り入れて、からだの内側から汗に強いからだを目指しましょう。
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。 症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。 症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

