そうした不調の繰り返しを「気のせい」と片付けてしまうのは禁物。
じつは、小麦をきっかけに生じるからだのトラブルには複数の要因があり、原因も適切な対処法もそれぞれ異なります。
今回は、小麦にまつわる不調と日頃のケアについて、あんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに解説いただきます。
おなかの張りやだるさ、小麦が関係しているかも?
朝はトースト、昼はパスタ、そして間食にはドーナツと小麦製品に囲まれた毎日。
食後におなかの張りや下痢、からだの重だるさを感じるときは、からだがSOSを発しているのかもしれません。
原因が見えにくい不調は20〜30代でも少なくないため、抱え込まず、まずは引き金がどこにあるのかを探ることが大切です。
小麦で不調=セリアック病?似た症状の違いをチェック
小麦に起因するからだのトラブルには、いくつかの異なる仕組みが存在します。
ただし、小麦が原因の不調は罹患率が低く、決して多くの人に当てはまるものではありません。
主な3つの症状と特徴を整理してみましょう。
小麦アレルギー
小麦に含まれるたんぱく質に免疫が過剰に反応して起こるものです。症状が出るのは食後数分から2時間程度と比較的短い期間で、じんましんやかゆみ、むくみ、腹痛や下痢、さらに重いとアナフィラキシーが起こる場合もあります。
グルテン過敏症
グルテンやその関連成分が原因で、おなかの張りやガスだまり、吐き気、頭痛、疲労感、集中力の低下などが起こるものです。グルテン摂取後数時間から数日後にじわじわと症状があらわれる点も特徴です。
セリアック病
グルテン摂取で免疫が反応し、小腸粘膜が傷ついて栄養の吸収不良に陥る疾患です。成人では食欲不振や筋力低下、軽度の体重減少、口腔内の炎症をともなう場合もあります。
セリアック病は自己免疫疾患に分類される病気です。
これに対し、グルテン過敏症は自己免疫やアレルギーによる反応とは性質が異なります。
しかし、これらの症状は似ている部分もあるため、自己判断で決めつけるのは避けてください。
不調が長引いたり、不安を感じたりする場合は、なるべく早いうちに消化器内科などの医療機関で診てもらいましょう。
原因探しのヒントに。まず始めたい「体調メモ」
体調の変化の記録は、トラブルの正体を探るための手がかりとなり、受診時にも役立ちます。
記録のポイントとして、まずは「何を食べたか」、そして「何時頃に違和感を覚えたか」を書いておきましょう。
食後どれくらいの時間を経て発症したかは、状態を見極める重要な判断材料になります。
あわせて、「症状の種類」も具体的にメモしておきましょう。
下痢、腹痛など、自覚症状があるものはすべて書きとめることが大切です。
時間が経つと記憶も曖昧になってしまうので、できればその日のうちに書き記しておきましょう。
原因を確認したら。胃腸をいたわるケアも選択肢に
医療機関で適切な診断を受け、必要な処置を行ったうえで、日々の生活のなかで胃腸をやさしくいたわるという意識も大切です。
漢方薬は、人それぞれ異なる体質の偏ったバランスを整えることで不調の改善をめざすという基本理念があります。
慢性的な胃腸のトラブルに対して、根本的な原因からアプローチすることも可能です。
また、一般的に、漢方薬は西洋薬よりも副作用リスクが低いといわれているのも特徴です。
漢方薬で胃腸の改善をめざす場合、
「おなかを温めて腸の動きを正常化する」
「消化・吸収機能を整えて、ガスだまりや便秘を改善する」
「自律神経のバランスを整え、ストレスにより低下した腸の機能を回復する」
といった働きを期待できる漢方薬を選びましょう。
<胃腸をいたわるおすすめの漢方薬>
大建中湯(だいけんちゅうとう)
おなかを温め、腸の働きを活発にすることで、膨満感やガスのたまりに働きかけます。人参湯(にんじんとう)
胃腸虚弱や胃痛、胃炎に対して処方されることが多く、下痢型の過敏性腸症候群などに用いられます。ただし、漢方薬は体質との相性も重要です。
漢方に精通した医師や薬剤師に相談し、体質に合ったものを選びましょう。
もう少し気軽に漢方生活を始めたいなら、「あんしん漢方」というサービスもおすすめです。
スマホなどで簡単に利用でき、体質診断、漢方薬の提案、そしてアフターフォローまでネット完結できる部分が評判を集めています。
胃腸をいたわり、健康的な毎日を送るために
小麦によるおなかの不調や倦怠感には、さまざまな原因が考えられます。自己判断せず、まずは専門医による適切な診察を受けましょう。そのうえで、食事や睡眠などの生活習慣を見直すことも大切です。
まずは、胃腸をいたわるという小さな工夫から始め、健やかな毎日をとり戻していきましょう。
<この記事の監修者>
山形 ゆかり(やまがたゆかり)あんしん漢方薬剤師
薬剤師・薬膳アドバイザー・フェムケアサポーター。
糖尿病病棟での経験から予防医学と食事の重要性を痛感し独立。
エビデンスを軸に薬膳・発酵・フェムケアの視点でレシピ監修や執筆、講師活動を通じ「食から整える健康」を提唱。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。

